「聞き流すだけで、英語がひとりでに出てくるようになる」
商品名は忘れましたが、こんなコマーシャルに石川遼が出ていますね。どうして、英語だけは、こんな馬鹿げた理屈がもっともらしく通るのでしょうか。「映像を見ているだけで、体が勝手に動いてゴルフができるようになる」というコマーシャルを石川遼がしていたら、みんなどう思うでしょう?100人中100人が信じないですよね。スポーツ、音楽、お稽古事、料理などどれをとっても、聞いているだけで、上手くなるものなどないことは、3歳時でない限り誰でも知っています。
ところが、こと英会話になると、人は、常識を通りこした馬鹿げた「上達法」を信じるのはなぜなのでしょう?それは、実際に、ネイティブと日常話すという「練習」なしに、上手くなることなどないからです。前述しましたが、日本には少数の限られたネイティブしかいません。彼らと話すためには、英会話スクールに通うことですが、週15分程度話すくらいでは、なかなか上達しません。「ネイティブと日常話すことなしに、英語が話せるようになることはない」という事実は、それが不可能な日本人には実に悲しい事実です。もちろん、私の言う「話せる」というのは、自由に自分の意思を伝達できるということで、道を聞くだけではだめです。
ここ神戸の北区には、ゴルフの練習場が4ヶ所(私の知っている限りでは)あります。少なくとも常時数百人が練習しています。ところが、英会話スクールで英語を練習している人は何人いるでしょう?世界経済がグローバル化時代に突入しているというのに、せいぜい20いればいいほうです。皮肉ですね。
日本には、さまざまな英会話教材があります。事実、どれもが「英会話上達」を約束しています。テニスコートがひとつもない町の人に、テニスを教えるようなものです。方法論はいくらでも教えられます。でも、できるようになるのは、ラケットを振るという「基本動作」だけです。テニスコートで相手とマッチをすることは無理です。多くの英語を勉強した日本人が外国に行って、まったく話が通じないというのは、このことです。
つづく
コメント