日本人が6年間の厳しい英語教育を受けているにもかかわらず英語が話せないのは、日本には「練習場」がないため、技術習得のための「練習」をしていないからだということです。きわめて単純明快な結論です。
それでは、どうすれば英会話ができるようになるのか? いまさら言う必要はないですね。
どうすればゴルフが上達するか? どうすればテニスが上達するか? どうすればピアノが上手くなるか? どうすれば運転がうまくなるか? どうすれば絵が上手に書けるようになるか? どれでも答えは同じです。
1.いい先生に手ほどきを受ける
2.がむしゃらに何時間も何時間も練習する
日本の学校教育では、1.の手ほどきはしてくれます。文法、語彙、熟語などを教えることは、文章の骨格(文法)と肉(単語)を作る基本ですから、理にかなっています。しかし、それも、中学3年で終わるべきです。それ以上の文法は必要ありません。
問題は、2.の練習です。「練習場」がない現状、どうすれば練習ができるのか?難しい質問ですね。現実には、英会話スクールに通うほとんどの人が、スクールを練習場にしているのです。一週間に一時間でも、なにもしないよりはいいに決まっています。しかし、英会話スクールは、会話の手ほどきをするところであって、練習場であってはいけないのですが・・・・・。仕方がないですね。他に練習場がないのですから。
今、日本にはたくさんのフィリッピン人が英会話教師として来ています。オンラインでもたくさんのフィリッピン人講師が会話相手になっています。なぜ、フィリッピン人はネイティブレベルの英語が話せるのに、日本人にはむりなのでしょう?それは、人口の50%が英語を話すからです。学校の先生も、多くの生徒も話すので、小学校で英語を習い始めた子はすぐにでも周りの人間と会話の練習ができるからです。
日本にも帰国子女など、英語をネイティブ並みに話せる人はいます。しかし、その人たちは日本社会での希少価値が高く、英語の教師にはなりません。いったん、人口の20%くらいがネイティブレベルの英語を話すようになれば、そこから30%、40%と増えるのはさほど難しくはありません。でも、現状、英語話者人口が5%以下の日本では、20%までに持っていくためには、2千万人の英語話者を育てなくてはなりません。英会話スクールに通う人口は、たかが130万人程度。ここに日本政府のジレンマがあるのです。2千万人のネイティブを日本に連れてくる以外、方法はないようなのです。
実は、韓国でも中国でも同じ問題に直面しているのです。グローバル化時代に突入した世界経済は、英語という共通語で回っています。英語話者人口が90%以上の、米、英、カナダ、オーストラリアなどは、最も有利であり、西欧のドイツ、フランス、スウェーデン、イタリア、などでも50%近い英語話者人口を有しています。それに対し、日本や韓国は5%以下、中国は1%以下です。中国は安価で豊富な労働力があるのでなんとか欧米と太刀打ちできますが、日本と韓国はこのままでは、欧米と中国という大きなグローバル経済圏から放り出されてしまいます。
英会話の「練習場」がない日本・・・・・。解決案はあるのか?「関西空港」をつぶして「英語村」を作るという橋本大阪府知事の提案は・・・。 それでも、日本全体の解決にはなりません。次回は、E-MAX発、「日本で2千万人の英語話者を育てる方法」をご披露します。
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